脱穀部の構造は、従来の定置式の自動脱穀機、あるいはハーベスタの脱穀機と同様の構造を備えており、ここに穂先部分を供給し、籾を分離する。脱穀部は本体に内蔵されているので、普段その構造を外部から確認することは不可能であるが、右図の写真はカバーを取り外した状態の様子のものである。コンバインの処理能力に応じて、脱穀部のこぎ胴や選別板は大型のものが採用されるが、最小の2条刈りコンバインから最大の6条刈りコンバインまで、基本的な選別の原理は全く同一である。処理能力の向上を狙ってこぎ胴とは別に補助的な処理胴を装備する機種もある。
こぎ胴には逆V字型のこぎ歯が多数取り付けられており、動力で回転する。このこぎ胴がフィードチェンで整然と送られる作物の穂先から、穀粒をこぎ落す。こぎ胴の下側には鋼線を編んだクリンプ網があり、クリンプ網を通過した物だけが選別板へと落ちる。選別板は偏心した軸によって揺動し、穀粒と不要な藁屑を比重によって選別し、大きな藁屑はストローラックを経て機外へ排出される。さらに揺動板から落下した穀粒は唐箕ファンが発生する風によって選別され、目的の穀粒のみが籾タンクへと搬送される。この選別された穀粒を搬送する系統は1番と呼ばれ、1番ラセンなどと呼ばれる。選別が不完全で、穀粒と藁屑が分離しきれていない物は、2番と呼ばれる系統でこぎ胴、あるいは選別板に還元され、再選別が行われる。さらに軽い藁屑や埃は、唐箕ファン、あるいは吸引ファンの風によって機外に排出される。
PR
この記事にコメントする
- ABOUT
自脱型コンバインの説明。自脱型コンバインの各部の仕組みや歴史などについて。
- 最新記事
(06/15)
(06/15)
(06/15)
(06/15)
(06/15)
- P R